アルベニスの傑作のひとつで、非常に美しい名曲。アルベニスの特長である情景描写に優れ、音楽を通して、古都グラナダの美しい街と、歴史を彷彿させる。　大変な難曲なのは、以下の2つの要素が共存するため。　フィンガリングでは、際立った柔軟性が要求される。「届かない」「動きが激しい」という要素は無いが、「押さえ難い形の中で、変化の動作が要求される」的な難しさ。　そしてピッキングでも、全体を通じでデリケートで柔らかい音色・音量・アーティキュレーション・グラデーションのコントロールが要求され、これが曲の佇まい、美しさを成立させている。　難儀なフィンガリングのなかで、ピッキングに細心の注意を払い、1音たりともコントロールミスをしないことが要求される。　「この曲が上手く弾けたら、立派。かなりの実力者」と言っても過言ではない。　そういった意味では、上級者向けだが、前述の通り「際立って困難な箇所がある訳ではない」ので、中級者も多く取り組むが、見事な仕上がりにならない、という壁にぶつかるため、【上級へのブラッシュアップ】への試金石。　アルベニスの名作群の中でも、傑出した抒情美あふれ、それがギターで表現されると、見事な優美さを見せる傑作。　やはり、これをレパートリーにせず、ギターは語れないのでは？　ぜひトライして、生涯を共にするレパートリーとして愛奏してください。